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あの夏が饱和する
カンザキイオリ
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🇯🇵 Japanese · Original
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「昨日人を杀したんだ」
君はそう言っていた。
梅雨时ずぶ濡れのまんま、部屋の前で泣いていた。
夏が始まったばかりというのに、
君はひどく震えていた。
そんな话で始まる。あの夏の日の记忆だ。
「杀したのは隣の席の、いつも虐めてくるアイツ。
もう嫌になって、肩を突き飞ばして、
打ち所が悪かったんだ。
もうここには居られないと思うし、
どっか远いとこで死んでくるよ」
そんな君に仆は言った。
「それじゃ仆も连れてって」
财布を持って、ナイフを持って、
携帯ゲームもカバンに诘めて、
いらないものは全部、壊していこう。
あの写真も、あの日记も、
今となっちゃもういらないさ。
人杀しと、ダメ人间の君と仆の旅だ。
そして仆らは逃げ出した。
この狭い狭いこの世界から。
家族もクラスの奴らも何もかも全部舍てて君と二人で。
远い远い谁もいない场所で二人で死のうよ。
もうこの世界に価値などないよ、
人杀しなんてそこら中涌いてるじゃんか。
君は何も悪くないよ。君は何も悪くないよ。
结局仆ら谁にも爱されたことなど无かったんだ。
そんな嫌な共通点で仆らは简単に信じあってきた。
君の手を握った时微かな震えも既に无くなっていて、
谁にも缚られないで二人、线路の上を歩いた。
金を盗んで、二人で逃げて、
どこにも行ける気がしたんだ。
今更怖いものは、仆らには无かったんだ。
额の汗も、落ちたメガネも
「今となっちゃどうでもいいさ。
あぶれ者の、小さな逃避行の旅だ」
いつか梦见た优しくて、谁にも好かれる主人公なら、
汚くなった仆たちも见舍てずにちゃんと救ってくれるのかな?
「そんな梦なら舍てたよ、だって现実を见ろよ?
シアワセの四文字なんてなかった
今までの人生で思い知ったじゃないか。
自分は何も悪くねえと、谁もがきっと思ってる」
宛ても无く彷徨う蝉の群れに、
水も无くなり揺れ出す视界に、
迫り狂う鬼たちの怒号に、
バカみたいにはしゃぎあい
ふと君はナイフをとった。
「君が今までそばにいたからここまでこれたんだ。
だからもういいよ。もういいよ。
死ぬのは私一人でいいよ。」
そして君は首を切った。
まるで何かの映画のワンシーンだ。
白昼梦を见ている気がした。
気づけば仆は捕まって。
君がどこにも见つからなくって。
君だけがどこにもいなくって。
そして时は过ぎていった。
ただ暑い暑い日が过ぎてった。
家族もクラスの奴らもいるのに
なぜか君だけはどこにもいない。
あの夏の日を思い出す。
仆は今も今でも歌ってる。
君をずっと探しているんだ。
君に言いたいことがあるんだ。
9月の终わりにくしゃみして
6月の匂いを缲り返す。
君の笑颜は、君の无邪気さは、头の中を饱和している。
谁も何も悪くないよ。
君は何も悪くはないから、もういいよ、投げ出してしまおう。
そう言って欲しかったのだろう?なあ?